
「バナナは運動前の栄養摂取に優れている」と聞いたことのある方も多いのではないでしょうか?実際にランニング前やトレーニング前に食べている方もいらっしゃいますよね?僕もその一人で,朝起きてバナナを食べてから走り出します。またマラソンのエイドにおいてあるところも多く見受けられます。
ただ、どんな効果があるのか、詳しく知らない人も多いですよね。今回は食に関する仕事に就き、日頃からランニングに勤しむ調理師ランナーの視点で、栄養面から運動をサポートしてくれる「バナナ」の話をしていきたいと思います。いいなと思ったらぜひ今日から取り入れてみてください。
基本情報
まずは具体的な栄養素やカロリーから行きましょう。
バナナは1本で約80kcalです。ちなみにコンビニのおにぎりは1個で約250kbalです。タンパク質は約1g含まれており、脂質はほとんど含まれておりません。
ビタミンB群・ビタミンC・ビタミンE・パントテン酸・葉酸・ナイアシン・ビオチン・カリウム・マグネシウム・銅・モリブデンなどの栄養素があり、糖分はブドウ糖・果糖・ショ糖とバランスよく含まれています。
では具体的にどのような効果があるのかを見ていきましょう!!
1.消化吸収が速く、持続性にも優れている
バナナは糖質(炭水化物)が豊富で、消化されやすいブドウ糖や果糖から、徐々に消化されるショ糖やオリゴ糖、さらに、消化されにくい食物繊維やデンプンなど、エネルギーに変わるスピードが異なる多様な糖質を含んでいます。即効性と持続性の両方にすぐれた食品です。
食べ物別で吸収にかかる時間を比較すると以下の通りです。
- バナナ 40分
- 野菜 1時間
- ごはん等(炭水化物) 2時間
- お肉や魚(タンパク質+脂質) 12-24時間
おおよそこの様になっています。ごはん等の炭水化物はエネルギーとして使用されるまでに時間がかかってしまいます。ブドウ糖や果糖を含むバナナは運動前やレース中のエネルギー補給に適していると言えます。
2.エネルギー代謝をサポート
ブドウ糖や果糖等の糖質を摂取しただけでは上手にエネルギーとして使われません。そこで活躍してくれるのがビタミンBです。バナナにはエネルギー代謝に働きかけてくれるビタミンB群がバランス良く含まれているので、エネルギー不足による後半の失速を防いでくれます。ちなみにビタミンBの量は健康食品の代表である納豆の約3パック分も含まれています!
また、ビタミンBには損傷した筋肉を修復する効果があります。筋トレやスピード系のトレーニングによってエネルギーの消費が多いと感じた日にはビタミンBが含まれるバナナを食べて筋肉の修復を促進しましょう!激しいトレーニング後のバナナには筋グリコーゲンの回復といった観点からもおすすめです。
3.足のつり、筋肉の痙攣を防ぐ
筋肉の疲労や水分不足などによって起こる筋肉の痙攣防止にもバナナは有効です。その理由がバナナに含まれているカリウムです。カリウムはカラダの水分調整機能に働きかけ、ナトリウムとともに細胞内液の浸透圧を一定に調節する機能があり、体液バランスをサポートしてくれます。
スポーツで汗をかくと水分と一緒にナトリウムやマグネシウムなどの電解質も失われます。そしてカリウムが不足すると、筋肉に負担がかかったときに足がつりやすくなったり、痙攣(けいれん)の原因となります。ですのでカリウムを摂取すると筋肉の収縮が助けられ、予防することができるのです。
4.疲労回復効果
バナナには、強い抗酸化作用があるポリフェノールが含まれているので、筋肉の疲労を回復させる効果も望めます。ポリフェノールは、トレーニングによって発生した活性酸素を取り除く働きがあります。インターバルトレーニングや距離走など、強度の高いトレーニング後の筋肉に疲労回復の効果を与えます。ちなみに、バナナにはたくさんのポリフェノールが含まれています。ポリフェノールの含まれている代表の赤ワインや緑茶の次に高く含まれています。またポリフェノールは皮膚のシミやシワの防止、生活習慣病の予防にもなると考えられています。
エネルギー補給の観点からは運動前のバナナの摂取がおすすめですが、リカバリーの観点からは運動後にもおすすめです。頑張った日はバナナを食べて疲労回復させましょう!
5.いつでもどこでも入手可能
どんなにいい事ずくめの食材でも入所困難だったら誰も食べられないですよね。バナナ最大の魅力はどこでも手に入り、手軽に食べられることです。コンビニやスーパーなど、至るところで誰でもいつでも購入できます。そして皮を剥くだけですぐに食べることができます。また値段も安く、1本100円以下で購入可能であることも強みでしょう。

そして、バナナ1本当たり約80kcalとカロリー計算しやすいことも利点に挙げられます。同じく手軽に手に入るパンやおにぎりは、中身によってエネルギー量や構成する栄養素が変わってきます。具材によって想定以上のカロリーを取ってしまう可能性があるのです。一般的なランナーさんであればそこまで気にならないでしょうが、本命レース前の体重管理やカーボローディングで糖質量を計算している場合はとても大切になってくるでしょう。ダイエットや減量目的で有酸素運動、ランニングをしている方には特におすすめしたいポイントになってきます。
おすすめの食べ方

・そのまま
一番のおすすめはなんと言ってもそのまま皮を剥いて直接食べることです。トレーニング前後のエネルギー補給やリカバリー目的の場合は、ほぼ糖質で構成されているメリットを最大限に活かすことができます。また、トレーニング後は炭水化物が枯渇しているため、速やかに栄養を摂ることが望ましいです。
・バナナヨーグルト
ヨーグルトを合わせることにより、タンパク質も同時に摂取することができます。長時間走って紫外線をたっぷり浴びた日には、クルミ等のナッツ類も加えることでビタミンEも豊富に摂取することができます。ビタミンEには抗酸化作用があるので女性ランナーさんに特におすすめの食べ方です。走った日の間食はこれで決まりですね。
・バナナスムージー
「バナナって買ってきてもすぐに色が変わってきて、いつも食べきれないんだよね」って方にはこちら。購入後、完熟してきたら冷凍保存してしまいましょう!!スライスしてから冷凍することでスムージーを作る際、とても使い勝手が良くなります。スムージーの作り方は牛乳と共にミキサーに入れて混ぜるだけです。小松菜やりんごを入れてみたり、牛乳の代わりに豆乳で作ってみたり、お好みでアレンジしてみましょう。
まとめ
今回はバナナの魅力について5つ紹介させていただきました。
- 消化吸収が速く、持続性にも優れている
- エネルギー代謝をサポート
- 足のつり、筋肉の痙攣を防ぐ
- 疲労回復効果
- いつでもどこでも入手可能
手軽に栄養を補給できるだけでなく、運動時にさまざまなメリットをもたらしてくれるバナナ。いままでなんとなく良さそうと思って食べていた方も、バナナの効果を知ることでより快適で効率的なランニングライフを送ることができると思います。ぜひこれからの食生活にバナナを取り入れてみてください!!
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